Miss Jane Marple & marble

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曇り空。
曇り空...と聞いて皆さんはまず何を頭の中に連想しますか?
人それぞれ...それは絵画であったり、過去に体験した出来事だったり
ある特定の場所だったり...実に様々なのではないかと思います。
私が曇り空と聞いてまず思い浮かべるのはまだ足を踏み入れたことのない場所。
それは国といった方が正しいのか首都といった方が正しいのか...
イギリス、所謂イングランドの倫敦なんですね。

以前知り合った古道具屋の知人から聞いた話なので直接私が体験した訳ではないのです。
その知人曰くイングランドは一年365日中、晴天の日は20日あるかないかとの事でした。
本当でしょうか...?
そんなに日照が少ない土地で国花とも呼べる薔薇がたわわに咲き乱れるのものなのでしょうか?
薔薇を国花として掲げている国は他にもアジア〜アフリカ〜ヨーロッパ...知りうる限りでも何国かありますね。
ちょっと気になって調べてみましたが、*〜倫敦の緯度は樺太中部と同程度、
西岸海洋性気候の恩恵を受けて温暖かつ適度の湿度を持った比較的暮らしやすい気候となっている。
ただし一年を通して小雨や曇天がやや多い〜*(*〜Wikipediaより引用〜*)...とあります。
なるほど、知人が云っていたのもあながち誇大表現ではないようです(事実年間通して住んだとの事)

私は今、いちばん行きたい国は何処かと訊ねられたら夏なら北欧。冬ならオーストラリア。
では季節に関係なく行きたい国は何処か...と訊ねられたなら、それがイングランドなんですね。
で、イングランドに行って何するの?と友人に訊かれ、
『特にないけれど、まずいちばん最初にアガサ・クリスティーの墓参りをしたい』と云ったのでした。
すると友人は一笑、そんな発想はいかにも×××××だね...なんて云われてしまいました。
『どーして?』なんて尋ねると×××××にはそういう発想自体思い浮かばないと思う...との事でした.笑
私がイングランドに行きたいのは件の墓参りもあるのですが、都市部よりももっと田舎の方、
(倫敦を拠点にして)田園地帯を歩いてみたいというただそれだけのことなんです。
庭が見たいわけでもない(イングリッシュガーデンには興味ナシ*もちろん何かを吸収するでしょうが)
方々の州で週末(に限らず)に開催される蚤の市や骨董市を見て廻ったり...目的を決めない旅。
「目的を最少限度に絞った方が旅はより楽しいものになる」という経験上からの...ただそれだけの事。

では何故アガサ・クリスティーが好きなのか?好んで読むのか。繰り返し読むのか(しかもミステリー)
それは彼女の作品の根底に流れているものが終始一貫しているから、このことに尽きる訳です。
(彼女の作品は、加えて会話を主体として物語が展開されてゆくのも魅力のひとつでしょう...。)

アガサ・クリスティーはミステリー・推理小説という形をとりながらも
最後まで『人間』というものを書き続けた作家だった。私はそう思います。
所謂作家には彼女のように生涯をかけて描きたい主題を追求するタイプと
返還に返還を重ね、読者をよい意味で裏切り続ける、
このふたつのタイプに大きく分れるのではないかと思います。

私は育種家ではありませんが、彼女に薔薇を捧げたい.笑
けれどすでに『Agatha Christie』という名の薔薇はこの世に存在しています。
1990年、Kordes作出、ピンクの巻きのゆるいハイブリッドティー。
実際には見た事ないのですが、図鑑には大輪で香りがよいと記されています。
英語苦手なのに辞書片手に翻訳までして...得た情報は実に大味な事でした.笑
(どの薔薇にもいえること、...けれど出来る限り忠実に訳してみたくて)

私が彼女の作品の中で敢えてベスト1を挙げるとするならば。
それはエルキュール・ポワロものでもなく、ミス・マープルものでもなく、
1944年にメアリ・ウェストマコット(Mary Westmacott)名義で書かれた...
__________『Absent in the Spring / 春にして君を離れ』__________
この本を読んだのは数年前(30代前半だったかな?つまり近年.笑)でしたが
(推理小説のカテゴリー外だったので、ずっと後回しにしていたんです)
読後、かなりの衝撃を受けたのを今でもはっきり憶えています。
(この一冊を読むと善意が必ずしも他人に幸せを齎すものではないという事がわかります)

彼女のファンの間では常に囁かれている事ですが
ベスト10が選出されると、ほぼポワロものが上位を占めてしまいます。
ですが、このふたりの偉大なる探偵を比べた時、
愛着をもって親しまれるのは何故かいつもミス・マープル。
実在しないセント・メアリ・ミードという村に暮らす上品で観察眼鋭い老婦人です。
この村はどうやらモデルになった実存する村があるとの定説です。
そしてミス・マープルは彼女自身の祖母がモデルだと云われています。
聞き込みに聞き込みを重ねてその村を探し当て
いつの日か、ゆっくりのんびり訪れてみたいものです。
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1.『Silene pendula/シレネ ペンデュラ/(サクラマンテマ)/ 袋撫子(フクロナデシコ)』
2.4.『Tricolore de Flandre(Gallica)/Louis Van Houtte / Belgium / 1846』
3.『Village Maid : Centifolia Variegata...(Centifolia) / Vibert / France / 1839』
5.『ウツギ・マギシェン/ Deutzia 'Magicien' ユキノシタ科 ウツギ属/紅花バイカウツギ』
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今回の一連の写真は今年5月中旬〜下旬にかけての回顧録ですが、
優しく反転する絞りの薔薇『Village Maid』は私の中でミス・マープルそのもの。
この薔薇は以前にも述べましたが我が家で数少ないCentifoliaで生き残っているもの。
汚れなき純粋な少女のようなイメージと共に(多感な少女は鋭い棘を持つものです)
色白で優雅な白髪をふんわり結い上げた老婦人をも思わせる不思議な魅力を持っています。
そして『Tricolore de Flandre』は奇しくもエルキュール・ポワロと同じベルギーの生まれ。

アガサ・クリスティー自身も園芸ずきだったようで、
作品の中には様々な草花が登場人物の如く入り乱れます。
そして入り乱れる人間模様は、さながらウィリアム・モリスの草花が優雅に描かれた壁紙のよう。
戦時中、薬剤部に身を置いていた彼女は薬物に関しての知識も相当なもの。
ゆえに毒殺の女王といわれる由縁もそのためです。
彼女の作品を通して知ったマザーグースやシェークスピアからの引用、テニスンの詩etc...。
『The Mirror Crack'd from Side to Side / 邦題(鏡は横にひび割れて)』。
邦題も素敵ですが、原題の響きも素晴らしい。このタイトルはテニスンからの引用。

情熱の殺人。人は何故、人を慈しみ、そして憎むのか。
ふたりの女にひとりの男。ふたりの男にひとりの女。
夫婦とは何者なのか。恋人同士とはいったい何者なのか。夫婦という名の正体や如何に?
夫婦間の絆の強さ。恋人たちがその結びつきの強さゆえに犯す殺人という名の大罪。
愚かな男たち。哀れな女たち。残虐な子供たち。

ふたつのオールドローズ。
そしてふたりのイギリスの詩人((ウィリアム・モリスも含め)クリスティーもまたある意味詩人です)
彼女の短編にもあります...『あなたの庭はどんな庭? - How Does Your Garden Grow?』

ちなみに今回の記事は前々回の記事『二号』と対の双子です。
おそらく私が土に還るその日まで 自問自答し続けるであろう人生の大きな主題かもしれません。

〜G d D〜

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